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Posted by たまりば運営事務局 at

父親の前科を知ったとき

俺は父親のせいで人生をめちゃめちゃにされてきた。
と言っても俺は父親がどんな人だったのかは知らない。
顔もみたことがない。
産まれてから俺の親は母親が一人だけだった。
小さい頃はそれなりに寂しいと感じたこともあった。
でもそれは俺の中では母親に言ってはいけないことで。
自分の中で処理しなくてはいけない気持ちだと思っていた。

なぜ父親がいないのかは聞いたことがなかった。
なんだか聞いてはいけないような気がしたし、母さんが悲しい顔をするような気がして、そんな質問をしなくてもいいか、と思っていた。
でも父親がどんな人だったのかを知ることになるある事件が起こる。

俺は裕福な暮らしではないにしても、まぁ特に不自由は感じていなかった。
母さんが一生けん命働いて食わせてくれていたのはわかっていたし、それで十分だと思っていた。
母さんに喜んでほしくて勉強も一生懸命した。
中学校のクラスの奴らは公文やら塾やら通って、学校以外でも勉強をしていたようだ。
でも俺は自力で、学校の勉強だけで成績はトップクラスだった。

まぁ兄弟もいないし、一人で自宅にいる時間も長かった。
勉強に集中できる環境は整っていたし、俺にはやる気があったから成績も伸びたんだろう。

俺は県内トップクラスの私立高校を受験することになった。
テレビでも言えるくらいの名門高校だ。
ただ私立なので問題は学費だ。
しかしそこも学力でカバー!奨学金などの関係でなんとか通えるだろうというメドもたっていた。
とにかくそんな名門に通えるなんて、という母さんの嬉しそうな顔が嬉しかったな。
自慢の息子になれたんだろう。

無事に合格し、その学校に通えることになった。
今まで勉強してきてよかった、と思える瞬間だったな。

だけど入学数週間前になって急に合格取り消しの連絡がきた。
合格取り消しなんて、聞いたことがない。
もう入学金も払っていたし、制服も買っている。

理由は父親だ。
顔も見たことのない父親が俺の高校合格をもみ消した。
そのとき初めて母さんが話をしてくれたけど、父親は前科者らしい。
俺が合格した高校は県内屈指の名門だったから、前科者の息子なんて入学が許されないということだろうか。

合格取り消しの理由をハッキリと学校側から聞いたわけではない。
ただ思い当たる理由はそれくらいしかないだろう。
入学間際だったこともあり、すでに全ての高校の入試は終わっていた。
俺は名門入学の予定だったのに、フリーターになったのだった。









  


  • 2016年12月31日 Posted by enn at 22:31Comments(0)